『人妻遊戯』あらすじ

数日後…。

人妻遊戯

俺は大学の近くにある弁当屋に来ていた。
学食も良いけど、最近はもっぱらここを利用している。
安いし美味いここの弁当は、俺を心身共に元気にしてくれるのだ。
心身というのはつまり…。

奈保美:「いらっしゃいませー。あ、浩貴君いらっしゃい」

浩貴:「こ、こんにちは」

彼女は小園奈保美さん。
弁当屋のパートさんで、彼女が入ってからというもの売り上げが大幅アップしたらしい。
俺もその売り上げに貢献している事は言うまでもない。

奈保美:「今日は何にしましょうか?」

浩貴:「あ…の、のり弁で」

奈保美:「はいっ。のり弁当おひとつですね。少々お待ちくださいね」

小園さんは溢れんばかりの笑顔で奥に注文を伝える。
この、待つ数分だけ彼女を見ているのが、俺の唯一の幸せかもしれない。

人妻遊戯

奈保美:「のり弁お待ちどうさまでした」

浩貴:「あ、は、はい…」

幸福はあっというまに過ぎ去る。

奈保美:「いつものり弁なのね」

他のお客に聞こえない小声で、小園さんが話しかけてきた。

浩貴:「あ、す、好きだから」

奈保美:「のりが?」

浩貴:「の、のり大好き!」

奈保美:「いいけど…栄養偏らないようにしてね。ちょっとサービスしておいたから、お勉強頑張ってください」

浩貴:「サービス?」

奈保美:「あ、いらっしゃいませー」

新たな客がやってきたので、小園さんとの会話はそこで終わった。
店の外でビニール袋を検めると、中にサラダのパックが入っていた。

じ〜ん…
東京の人とは思えない親切さ。
なんて優しいのだろう。
奇麗で優しくて奇麗で優しい…

浩貴:「はぁ…」

そう…俺は小園さんの事を何も知らない。
もし、この事を洋平が知ったら、きっと「アタックあるのみ!」とか言うんだろうなぁ。
でも、それは出来ないのだ。

俺が意気地無しだからではない。
彼女の左手薬指に指輪がはまっているからだ…。
俺の好きな人は…人妻なんだ。

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